疋田先生

編集長

2007年04月01日 02:14


幡多郡黒潮町拳ノ川の国保拳ノ川診療所で35年間、地域医療に取り組んできた疋田(ひきた)善平医師(85)が30日、最後の仕事を終え、町佐賀総合支所で役場職員から長年の労をねぎらわれた。疋田医師は4月から高岡郡四万十町の病院に常勤医として勤務する予定で、「在宅医療のお手伝いをしたい」と衰えぬ意欲を見せている。

 滋賀県出身の疋田医師は、国立京都病院で30年近く結核医療に従事し昭和47年、旧佐賀町の同診療所へ赴任。住民一人一人の病歴を記した終身カルテを作成するなど、予防医学の普及に努めた。平成5年に「満足死の会」を結成。16年には地域密着の活動が評価され、第11回高新大賞も受賞した。

 この日、疋田医師は外来患者の診察と鈴地区への出張診療を終えた後、町佐賀総合支所で開かれた「退職者を送る会」に出席。下村正直町長が「長年の勤務、ご苦労さまでした。これからも町民の一人として町勢発展に尽力してほしい」とねぎらい、町職員が花束を贈った。

 疋田医師は「一貫して予防医療に取り組んできたが、できなかった面もある。今後も在宅医療の充実に取り組みたい」とまだまだ意欲満々。4月からは、四万十町のくぼかわ病院の在宅ケアセンター長として外来診療や在宅医療に取り組む。